何を書いてもいいキャンバス

自分の書きたいことをマイペースに書くブログです
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「Steins;Gate」SS

最近プレイした「Steins;Gate」が秀逸だったので練習がてら初SSを書いてみた。
手法がなってないだろうけど、その点は今後勉強していこうと思う。

α世界線【0.571024】において何も起こらなかったらという~if~
ネタバレはないと思うけど読まれるならばプレイ後の方がいいと思います。


α世界線【0.571024】~if~




紅莉栖「……岡部ー。みかん取ってー」

気だるそうな声
それはいつものように発明の徹夜明けによるものではない


季節は寒波吹き荒れる12月
ことの始まりはまゆりの一言だった

まゆり「あのね、まゆしぃのおうちに古くなって使わないコタツがあったのです。だから今度持ってくるねー」


持ってくるね、と簡単には言うがコタツとなればそれなりの大きさだ
池袋から秋葉原まで電車でなんて不可能に近い
まゆりの提案はうれしかったが、さすがに断ろう――
そんな矢先、「頼れる右腕 (マイフェイバリット・ライトアーム)」であるダルが意外なことを口走った
「だったら僕が車だそうか」と


聞けば、夏休みが明けた9月から密かに教習所に通っていたらしい
ちょこちょこ早く帰っていたのはどうやらこのせいだったようだ
さすが我が右腕
スーパーハカーだけには飽き足らず新しい知識をどんどん身に付けてくれる
この俺、鳳凰院凶真を支える、さながら次元大介といったところか
今度は弁理士の資格を取ってもらい、将来、我がラボの発明品の特許出願に役立ててもらおう


……話が脱線したな
そんなこんなで、ダルのおかげで我が未来ガジェット研究所にコタツが導入されたのが二日前のことだ


もともと、このビルは古いせいもあって夏は暑く、冬は寒い
加えて、資金難である我がラボはエアコンやヒーターといったものはなく、拾ってきたハロゲンストーブが一台しかなかった


しかし、それはクリスティーナが「女性に冷えは大敵なの」といい、占有していた
おかげで男性陣は寒い思いをしているという訳だ


……まあ、ダルに関しては12月のこの時期であっても部屋の中では半袖かつ、冷たいコーラを飲んでいるあたり、寒さとは無縁なのかもしれない
だが、この俺にとってはそうもいかない
自分ことを寒がりとはいわないが、さすがにこのラボの中は寒い


そして、俺にとって研究の妨げになるものは全て敵
寒さであろうと排除したいのだ


だからこそ今回のコタツは天からの贈り物といっても過言ではない
……はずだった


しかし実際にふたを開けてみるとコタツは助手が私物化しており、俺やダルが入ることを嫌った
助手曰く、「足がぶつかるから」と


コタツなんだから足がぶつかるのは当然だろう
みんなで寄り合って温まるからこそ日本の文化であるコタツはいいのだ


だが、アメリカかぶれの助手には「岡部は私の足に触れてきていやらしい」
と言われてしまい、初日にして追いやられてしまった訳だ


さらに、それだけでは飽き足らずこの狂気のマッドサイエンティストであるこの俺を手足のように使ってくれる
やれ「コーヒーが飲みたい」とか「みかん取って」
酷くなると「PCをコタツに移動して」などと言い出す始末
デスクトップPCだぞ
ディスプレイでも液晶でなくCRTなのに……


もはやどちらが助手なのかわからない状態だった


紅莉栖「岡部ー、聞いてるのー?」


気だるい声による催促
まあ、わからなくもない
コタツという聖域(サンクチュアリ)はいかな人物であったとしても、ものの数分で虜にしてしまう
おそらくこの鳳凰院凶真であっても抗うことはかなわないだろう


しかし――
ここはラボメンNO.001、ラボ創設者としてガツンと言ってやらねばなるまい


オカリン「……クリスティーナよ」
紅莉栖「ティーナをつけるなー……」

反論にもいつもの覇気がない
文字通り、コタツに身も心も奪われているようだ


オカリン「まゆりの好意により我がラボには待望のコタツが導入された。お前も年頃の女性であるから男と触れることに対してデリケートになっているというのもわかる」
オカリン「だから男性陣がコタツに入れないことについてはあえて目をつぶろう」

まあ、本当は納得いかないんだが


オカリン「だが、俺のことを小間使いにすることはやめてもらおうか。我がラボはメンバーが一人はみんなのために、みんなは一人のためにあるべきだと考えているからな」

実際には今考えた詭弁だ
確かどこぞの野球漫画で言っていた気がする


だが、マッドサイエンティストでありながら大人の対応をする俺
実に器が大きい
もはやこんな俺が世界に混沌をもたらす日も近いのかもしれない
そんな妄想に浸っているとわずかな沈黙の後に意外な言葉が返ってきた



紅莉栖「……別にあんたがコタツに入ってくるのが嫌って訳じゃないのよ」

少し呆気にとられてしまう


紅莉栖「ただ、私ってアメリカでも飛び級してたから同年代とのスキンシップの取り方がわからないっていうか……少し恥ずかしいのよ」


てっきり本気で嫌われているのではと思い、少し落ち込んでいたばかりに本当に意外な言葉だった


紅莉栖「私だって日本にいた頃にはコタツは使ったことがあるし、足がぶつかるものだってわかっているわよ」
紅莉栖「でも、まゆりと一緒に入っていても少しドキドキしているんだからね」


確かに家族と友人では気の遣い方が違うかもしれない
クリスティーナの場合は特に同年代の友人が少ない環境で育っている
俺が思うような友達とのスキンシップもなく、研究者として歳の離れた者達との付き合いが多かったのだろう


そんな中で偶然であるがようやく手に入れた同年代の仲間
それは彼女がいたラボとは比べるまでもなく知識レベルは低く、研究者として不満のあるものかもしれない
だが、本音で語り合える仲間としてお互いを認めているのではないか
少なくとも俺はそう思っている
だったら――


オカリン「フ……」
紅莉栖「?」
オカリン「フフフ……フゥーーーハハハ!」
紅莉栖「ちょ、ちょっと人が真剣に話してるのに何よ!」


オカリン「聞け、クリスティーナよ!」
オカリン「お前は気にしすぎだ。その姿はさながら飼い主の顔色を窺う子猫のよう」


オカリン「だから――」

一歩踏み出しサンクチュアリへ足を踏み入れる


紅莉栖「え、ちょっと。入って……」


そんな声など構わない

紅莉栖「こないで……」

この頭でっかちの天才少女には口で言ってもわからない
ならば――


俺たちがお前のことをどう思っているか伝えればいいだけだ


紅莉栖「……入ってこないでって言ったじゃない」

消え入るような声
わずかに見える耳が少しばかり赤く見えるのは気のせいだろうか
そんな姿はいつもの自信にあふれた彼女とは別人のようだった


オカリン「紅莉栖、俺たちはお前の何だ」
紅莉栖「何って、一緒にラボで研究をする……」


たいして大きくもないコタツ
足を伸ばさなくても相手の足にはすぐに触れてしまう
だが彼女と俺の足が触れ合うことはない
紅莉栖が足を引っ込めているのだろう
それが彼女にとっての心の距離ならば
そんな不安取り除いてやればいい――


オカリン「俺はお前の仲間だ。俺は研究者としてだけでなく牧瀬紅莉栖という人柄が好きだ」
紅莉栖「なっ……」
オカリン「俺だけじゃない。まゆりやダル、他のラボメンもみんなお前のことをそう思っている」
オカリン「だから……俺たちのことをもう少し信じてもいいんじゃないか」


かすかに時計の針の音が聞こえるだけのラボ
静かではあるが不思議と嫌ではない
そんな中で俺は彼女に向き合うが、紅莉栖は少しうつむいておりその表情を窺うことができない


だめか――


そんな思いがよぎる
俺の言ったことは本心だ
だが、それは子供の頃をごく普通に過ごしてきた人間の言葉
彼女の想いがわかるはずもない


諦めかけたその時、足に触れる微かな感触
ちょこん、と控えめではあるが確かに触れる何か
何か――わからないはずもない
そう――


紅莉栖「……ばか。本当に馬鹿……あー、もう。大事なことなので2回言いましたっ」

照れ隠しの@チャンネル用語
思わず苦笑してしまう
いつもなら追及してやるところだが今日だけは勘弁してやろう


まゆり「あれー、紅莉栖ちゃんとオカリンが一緒にコタツに入ってるよー」

ガチャっ、という音と共に昼食の買出しに行っていたまゆりとダルが帰ってくる

ダル「ちょっと、オカリン。僕たちが買い出しに行っている間にコタツでいちゃいちゃとかリア充すぎじゃね」


紅莉栖「い、いちゃいちゃなんてしてないっ!」
オカリン「照れるなクリスティーナよ。ラボメン同士仲がいいのは喜ぶべきことだぞ」


そう、喜ぶべきこと――
夏のあの日に紅莉栖がきてラボは変わった
でも、彼女の中にはまだ壁があった
それも今日までのこと


外は都心にも関わらず雪が降るのではないかと思うぐらい寒い
そんな中、我がラボに訪れたコタツという存在は彼女の心まで温めてくれたのかもしれない



~Fin~
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基本は漫画や小説、アニメやゲームの感想を書き綴ります。自分の忘備録として書いておりますのでマイペースにやるつもりです。


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